1961年ボリヴィア生まれ。83年に日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門で第3位入賞。桐朋学園大学を首席で卒業すると同時に東京フィルハーモニー交響楽団にコンサートマスターとして入団。しかし、在学中より興味を抱いていたオリジナル楽器によるバロック演奏に専心するために86年に退団、オランダのデン・ハーグ王立音楽院に留学、シギスヴァルト・クイケンの下で研鑽を積む。同院在学中から演奏活動を始め、「レザール・フロリサン」「シャペル・ロワイヤル」「コレギウム・ヴォカーレ」「ラ・プティット・バンド」などのヨーロッパを代表する古楽器アンサンブルのコンサートマスターを歴任してきた。またソリストとしても数多くのオーケストラと協奏曲を共演。日本では、弦楽四重奏団「ミト・デラルコ」の第1ヴァイオリン奏者や「バッハ・コレギウム・ジャパン」のコンサートマスターとして活躍、日本を代表する古楽奏者として幅の広い活動を行っている。
2006年より、復元楽器「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ」を用いた演奏活動も精力的に行い、国内外の話題を集めている。近年は鈴木雅明(オルガン&チェンバロ)、ボヤン・ヴォデニチャロフ(フォルテピアノ)、曽根麻矢子(チェンバロ)、フレデリック・ハース(チェンバロ)といった国内外の古楽器奏者との活動を展開している。
デンオン・アリアーレ・シリーズを中心に多くのCDを出しており、特にコレッリ《ヴイオリン・ソナタ集》(1995)、モーツァルト《ヴァイオリン協奏曲第3番、他》(96)、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによるJ.S.バッハ《無伴奏チェロ組曲全曲》(08)はレコード・アカデミー賞を受賞しており、いずれも好評を博している。最新の録音であるテレマン《無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア》(2011)で、平成23年度芸術祭優秀賞を受賞。バッハ《無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ》(00)に続いて2度目の受賞となった。
『第1回北とぴあ国際音楽祭'95』において、パーセルの《ダイドーとエネアス》で指揮者デビュー。以後、同音楽祭ではラモーやモーツァルトなど、フランス・バロックとモーツァルトの作品を中心に公演し、日本で最もバロック・オペラに精通した貴重な存在として注目を集めている。
現在、デン・ハーグ王立音楽院教授、 桐朋学園大学音楽学部特任教授。ブリュッセル在住。
【使用楽器】
ジョヴァンニ・グランツィーノ(1691年ミラノ)
寺神戸亮オフィシャルホームページ
http://www.lesboreades.info/RyoTerakado/