レクチャー&コンサート

コンサート・ソムリエ朝岡聡がご案内 「楽器と巡る音楽の旅」

第1回(チェロ編)

当公演は終了いたしました。

日 時 2014年7月19日(土) 14:00 開演
場 所 東京オペラシティ リサイタルホール
ご案内役 朝岡 聡(各アーティストのお話もあり)
出 演 鈴木 秀美[チェロ]
上尾 直毅[チェンバロ、フォルテピアノ]
平井 千絵[フォルテピアノ]
主 催 Sony Music Foundation(公益財団法人ソニー音楽財団)
使用楽器
  • チェロ
    アンドレア・アマティ[?1570年頃クレモナ?]/弓=ルイス・エミリオ・ロドリゲス(1995年ハーグ)
    バルト・フィッサー[1998年、ズトフェン、オランダ]〜G.B.グァダニーニ[1759年、パルマ、イタリア]による/弓=パジョ[1830年頃、フランス]
  • イタリアン・チェンバロ
    ヴィレム・クルスベルヘン[1991年ユトレヒト]
  • フォルテピアノ
    野神俊哉(2005年)〜アントン・ヴァルターのモデル[1795年頃ウィーン]による
  • ピアノ
    エラール(1892年頃パリ)
曲 目

D. ガブリエリ:リチェルカーレ 第1番 ト短調
J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲1番ト長調BWV1007〜プレリュード
A. ヴィヴァルディ:ソナタイ短調RV.43
L. ボッケリーニ:ソナタ ハ長調G.6
L. v. ベートーヴェン:モーツァルトの「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲変ホ長調WoO.46
F. メンデルスゾーン:チェロとピアノのためのソナタ第2番ニ長調 op. 58より
H. ヴェルクマイスター:歌の情景

※曲目、曲順は変更となる場合がございます。予めご了承ください。

出演者プロフィール

鈴木 秀美(すずき ひでみ/チェロ)

鈴木 秀美

©三浦興一

神戸生まれ。チェロを故井上頼豊、安田謙一郎ほか諸氏に、指揮を尾高忠明、秋山和慶に師事。第48回日本音楽コンクール第1位、第27回海外派遣コンクール特別表彰。84年文化庁在外研修員としてオランダのデン・ハーグ王立音楽院に留学、アンナー・ビルスマに師事する。
86年にパリで行われた第1回バロック・チェロ・コンクールでは2、3位なしの第1位を獲得。85年から93年まで、フランス・ブリュッヘン指揮の「18世紀オーケストラ」に在籍し、同時に86年から2001年まで シギスヴァルト・クイケン指揮の「ラ・プティット・バンド」のメンバー、92年からは首席奏者・ソリストと通奏低音奏者して活躍した。鈴木雅明の主宰する「バッハ・コレギウム・ ジャパン」では1990年の創立以来通奏低音奏者を務めている。
ヨーロッパ各地、イスラエル、マカオ、オーストラリア等で演奏する他ヨーロッパ各地の講習会・アムステルダム古楽アカデミーの講師を務め、94年に新設されたブリュッセル王立音楽院バロック・ チェロ科に教授として招聘され、2000年に日本へ帰国するまで務めた。91年9月の《バッハ/無伴奏チェロ組曲ツアー(15回公演)》は各地で大好評を博し、同年度の村松賞大賞を受賞。99年より2008年まで水戸芸術館の専属クァルテット「ミト・デラルコ」のメンバーとして活動した。

録音では、上記2オーケストラによる多数の録音に参加。ジェミニアーニ、ボッケリーニのソナタ集、フランスの バロック・ソナタ、C.P.E.バッハの協奏曲集、L.レオの協奏曲集などの他、数多くの室内楽の通奏低音奏者として共演。95年、日本人としては初めてのオリジナル楽器による《バッハ/無伴奏チェロ組曲全曲》を録音し(DHM/現ソニー)、平成7年度文化庁芸術作品賞を受賞した。05年春には 新録音をリリース(レコード芸術誌特選)。以降同レーベルで日本人初の専属アーティストとして 《シューベルト/アルペジオーネ・ソナタ》《ベートーヴェン/チェロ作品全集》《ロマンス》(ピアノ故小島芳子)などのCDを発表し、ラ・プティット・バンドとの《ハイドン/チェロ協奏曲集》では1998年に第36回レコード・アカデミー賞(協奏曲部門)を、また2000年にはベートーヴェンの初期作品のCDでフランスのディアパゾン金賞を受賞した。平井千絵との「メンデルスゾーン:チェロとピアノのための作品集」で06年文化庁芸術祭優秀賞受賞。08年秋には同じく平井千絵と「ショパン・チェロ作品集」をリリースした。バッハ・コレギウム・ジャパンによる殆ど全ての録音で通奏低音を務める。
帰国後、2001年に古典派を専門とするオーケストラ・リベラ・クラシカを結成し、ハイドンを中心としたプログラムで年に2〜3回の公演を行う。鈴木自身のレーベル《アルテ・デラルコ》よりそのコンサートのライヴ録音その他を続々とリリース。同レーベルにはD.ガブリエッリ・チェロ作品全集、ヴィヴァルディ・チェロ・ソナタ全集、ボッケリーニの弦楽五重奏(以上レコード芸術誌特選)、ハイドンのフルート・トリオとモーツァルトのフルート・クァルテット(フルート: 菅きよみ)、コレッリのリコーダー・ソナタ集(Rec./ダン・ラウリン、チェンバロ/上尾直毅、レコード芸術誌特選)、スタンリー・ホッホランドと若松夏美、成田寛とのピアノ・トリオ、クァルテットなど多くの室内楽も含まれ、既に40枚近くを数える。
指揮活動も活発になりつつあり、ポーランドのバロック・オーケストラ《アルテ・ディ・スォナトーリ》やベトナム国立交響楽団、シドニーの《オーストラリアン・ブランデンブルク・オーケストラ》等の客演指揮に招かれたほか、日本では名古屋フィルハーモニー、山形交響楽団への客演指揮とチェロ独奏も好評を博し、2013年4月より山形交響楽団の首席客演指揮者に就任。
室内楽奏者としては様々なジャンルで活躍し、自身が企画する「鈴木秀美のガット・サロン」シリーズを東京のハクジュホール他日本各地で開催、ガットを張った弦楽器を含むバロックからロマン派に至るプログラムを続けている。
バッハの組曲を演奏しながら詳説するレクチャー・コンサート・シリーズ「ガット・カフェ・スペシャル」の内容を記録し、解説と校訂楽譜を加えた「無伴奏チェロ組曲」を東京書籍から出版。その他の著書に「『古楽器』よ、さらば!」とその改訂版(音楽之友社)、「ガット・カフェ」(東京書籍)。日本音楽コンクール審査員、ライプツィヒ国際バッハ・コンクールの審査員等を歴任。第37回サントリー音楽賞受賞、第10回斎藤秀雄メモリアル基金賞受賞。東京藝術大学古楽科非常勤講師。

上尾 直毅(うえお なおき/チェンバロ、フォルテピアノ)

上尾 直毅

東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻を91年に卒業。藝大在学時ピアノを辛島輝治氏、チェンバロを山田貢、鈴木雅明、渡邊順生の各氏に師事する。

92年第6回古楽コンクールで「通奏低音賞」を受賞する。 同年よりアムステルダム・スウェーリンク音楽院にてチェンバロをG・レオンハルト、A・アウテンボッシュの両氏に師事し95年ソリストディプロマを得て卒業。続いてデン・ハーグ王立音楽院にてフォルテピアノをS・ホーホランド氏に師事し98年にソリストディプロマを得て卒業。 99年よりデン・ハーグ王立音楽院古楽器科の正式伴奏員を勤め、00年から帰国する01年まではオランダ室内管弦楽団のチェンバロ奏者も勤める。

鍵盤楽器のみならず18世紀フランス宮廷で大流行した小さなバグパイプ「ミュゼット」を独自に研鑽を積み、数少ないミュゼット奏者の1人として活動すると同時に、その研究をインターネット上に発表している。 01年に帰国後は日本国内において、ソロ、アンサンブルの両方で数々のコンサートに出演している。ソリスト、通奏低音奏者としてCDの録音にも参加しており、現在、国内を中心に鍵盤楽器奏者そしてミュゼット奏者として活動している。

平井 千絵(ひらい ちえ/フォルテピアノ)

鈴木 秀美

©Atsushi Yokota

フォルテピアノという、音楽史の中で重要な位置を占める楽器を演奏し、温かみのある音色で多くの作品に命を吹き込む平井千絵。桐朋学園大学ピアノ科在学中に、故小島芳子氏の演奏を通じてフォルテピアノと出会い、卒業後同氏に師事。その後、オランダのデン・ハーグ王立音楽院古楽器科へ留学し、スタンリー・ホッホランド氏に師事して修士課程を首席で卒業している。

その後はオランダを拠点に国内外で演奏活動を続け、ユトレヒト古楽祭(オランダ)、バルセロナ国際古楽祭(スペイン)、ボーヌ国際バロック・オペラ・フェスティバル(フランス)、ハレ・ヘンデル音楽祭(ドイツ)ほか、多くのコンサートや音楽祭に出演。またオルフェオ・バロック・オーケストラをはじめ、多くのオーケストラやアンサンブルと共演し、器楽奏者や歌手とのデュオも盛んに行っている。ヨーロッパのメディアでは、「傑出したフォルテピアノの専門家」と評され、その演奏がオーストリア放送、ラジオ・フランス、オランダ国営放送などで採り上げられた。2008年からはアムステルダム音楽院や母校であるハーグ王立音楽院で学内試験の審査員を務める。

日本国内においては鈴木秀美氏(チェロ)とのデュオや室内楽演奏で脚光を浴び、ソロ・コンサートも多数。特にフォルテピアノについてのわかりやすい紹介トークを交えたプログラムが好評である。銀座・王子ホールの『ぴあのの部屋』というコンサート・シリーズでは、女性作曲家による作品をプログラムに並べるなど、新鮮な視点で古典派時代の音楽を紹介している。また、ピティナ・ピアノ・コンペティションの審査員を務めるなど後進の育成にも力を注いでいる。

レパートリーは、18世紀に活躍したバッハ・ファミリーからハイドン、モーツァルト、そしてベートーヴェンを経て19世紀前半のシューベルトやショパンなど、「フォルテピアノの黄金期」と言える古典派〜前期ロマン派時代の作品。加えてギタリストの鈴木大介氏(19世紀ギター)や、フランスの若手バロック・ヴァイオリニスト、ジュリアン・ショーヴァンと共演するなど、新しいレパートリーの拡大にも意欲的に取り組んでいる。

鈴木秀美氏とのCD『メンデルスゾーン:チェロとピアノのための作品集』『ショパン:チェロとピアノのための作品集』(以上ソニー=BMG)は、「レコード芸術」誌や朝日新聞など多くのメディアで注目された。その後も唐澤まゆこ氏(ソプラノ)との『アート・オブ・マリー・アントワネット』(フォンテック)、初のソロCDであるショパンとグリンカの作品集『1840』(アクースティカ)をリリースしている。モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲録音「Mozart Speaks」が進行中であり(フォンテック)、第1弾は「レコード芸術」特選盤に、第2弾は準特選盤に選ばれた。2014年4月に第3弾をリリース予定。

神奈川県出身。ピティナ演奏会員、演奏表現学会会員。

朝岡 聡(あさおか さとし/ご案内)

朝岡 聡

横浜生まれ。慶應義塾大学卒業後、テレビ朝日にアナウンサーとして入社し、各種スポーツ中継のほか「ニュースステーション」等で活躍。1995年よりフリーとなってからはテレビ・ラジオ・CMのほか、クラシック・コンサートの企画構成や司会でもコンサート・ソムリエとしてフィールドを広げている。とくに古楽とオペラではユニークな評論が注目を集めており、クラシックの語り部としても幅広く活躍中。ミラノ・ウィーン・パリなどを取材し、自ら撮影した写真とエッセイでつづった「いくぞ!オペラな街」(小学館)は、ヨーロッパオペラの旅の魅力を伝える本として好評発売中。

ブログ「コンサートソムリエ東奔西走」
http://satoshiopera.cocolog-nifty.com/blog/

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