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齋藤秀雄メモリアル基金賞

第18回 齋藤秀雄メモリアル基金賞

第18回 齋藤秀雄メモリアル基金賞

2020年2月3日 東京にて行われた贈賞式
左より 軽部 重信(当財団専務理事)、広上 淳一氏、東条 碩夫氏、鈴木 優人氏、佐藤 晴真氏、堤 剛氏、 寺西 基之氏、加藤 優(当財団理事長)

公益財団法人ソニー音楽財団(所在地:東京都千代田区、理事長:加藤 優、英文名称:Sony Music Foundation)は、第18回(2019年度) 齋藤秀雄メモリアル基金賞 チェロ部門受賞者を佐藤 晴真(さとう・はるま)氏、指揮部門受賞者を鈴木 優人(すずき・まさと)氏に決定いたしました。

受賞者

佐藤 晴真(チェロ)
鈴木 優人(指揮)

選考委員

<永久選考委員>
小澤 征爾 氏(指揮者)
堤 剛 氏(チェリスト)

<任期制選考委員(3年)>
寺西 基之 氏(音楽評論家)
東条 碩夫 氏(音楽評論家)
広上 淳一 氏(指揮者)

●楯
●賞金 当該年毎に1人500万円(総額1,000万円)

贈賞の言葉

  • 永久選考委員 堤 剛

    佐藤晴真氏へ「贈賞にあたって」
    永久選考委員 堤 剛

    昨年のミュンヘン国際音楽コンクールチェロ部門に於いて第一位に輝かれたのを始め、それ迄の各種コンクールで常に最高位になられたことは驚嘆すべきことですし、如何に佐藤さんが頭抜けた存在であるかが証明されていると言って良いでしょう。でもそこには佐藤さんのたゆまざる努力、研鑽があったからでしょうし、素晴らしい先生方に恵まれた事も大きな理由だと思います。現在ベルリンで師事されているJ.P.マインツ教授を始め、林良一、山崎伸子、中木健二の諸先生方から厳しくも温かい指導を受けられ、それを十分に受け止めてご自分のものにされた故に今の佐藤さんがあるのだと思っております。
    持って生まれた才能に加え良き指導者に恵まれ、理想的な環境のもとで音楽の道を歩んでこられた佐藤さんの演奏は、しっかりとしたテクニックの土台の上に大きな音楽を作り上げられる所に特長があると思います。その演奏は伝統を踏まえ、その上で十分に個性を発揮されており、正に「正統派の音楽作り」と言って良いのではないでしょうか。そこには豊かな歌心があり、チェロという楽器を自分の声として自然に表現されておられます。でも細部まで気を配り、一音たりとも無駄に鳴らしていないのは「お見事!」と言う他御座いません。はっきりとした自分自身のアイディアや音楽的主張がありますし、豊かな音量と色彩と相まって、これからのチェロ界を背負って行く逸材であると私は確信しております。
    齋藤秀雄先生の孫弟子に当たられる佐藤さんは先生ご自身が学ばれたベルリンに留学されている訳ですが、先生は当時時代の先端を行っていたE.フォイヤーマンのチェロの演奏技術を日本に何とか根付かせようと大変な努力をされました。そして先生がもう一つ持って帰られ音楽教育全般の中で強調されたのが、アンサンブル教育でした。その際立ったものがフルトヴェングラー/ベルリン・フィルに代表され刺激を受けたオーケストラ教育ですが、同時に先生が強調されたのが室内楽、特に弦楽四重奏の分野でした。ご自身も新交響楽団の首席奏者として、また室内楽グループのメンバーとしてめざましい活躍をされました。佐藤さんにもソリストとしてだけでなく、アンサンブルプレイヤーとしてもその優れた才能を生かして頂けましたら、この賞の持つ意義がますます深まっていくのではないかと思っております。


    【贈賞式でのスピーチ】

    佐藤さん、この度は本当におめでとうございます。
    私の手元にございます、贈賞の言葉の中に、私からの佐藤さんに対して「これからこういうふうに頑張ってほしい」という思いを述べさせていただいきましたが、佐藤さんご自身の受賞の言葉は、「こうしたい」という強いご自分の主張をはっきりと述べられていて、特に私が感心したのは、「今までにないものを作り上げていきたい」という強いお気持ちを持っていらして、私としても嬉しく思っております。
    齋藤先生という方は、本当に私にとって「信念の人」だというように受け取っておりましたが、佐藤さんもそういう強い信念と、いろいろな意味で何かに向かっていく強い勇気」のようなものを感じまして、これからも大きく発展されていく方だと思っております。
    ある時、私のレッスンの時に齋藤先生がこのようなことをおっしゃいました。「堤、君がね、(当時の貨幣価値なので少し感覚が違いますが)、10円のものを買うためにお店に行った時、10円玉1枚を持って買いに行くのと、100円を持っていて、10円出すのとでは随分大きな違いがあるんだよ」とおっしゃいました。もう一つ、その時おっしゃったのは、エマニュエル・フォイヤマンについて、「彼は一つの音、一つのフレーズに対して、最低7種類の色をもっていて、使い分けることができた、素晴らしいチェリストだった」とおっしゃいました。私も佐藤さんの大きな才能もっともっと広げていただいて、チェロ界、音楽界の発展のために尽くしていただきたいと思っております。
    佐藤さん、今回は本当におめでとうございました。

  • 鈴木優人氏へ「贈賞にあたって」
    永久選考委員 小澤 征爾

    鈴木優人さん、「齋藤秀雄メモリアル基金賞 指揮部門」の受賞おめでとうございます。
    鈴木優人さんの活動の幅広さに大きな可能性を感じました。
    指揮のことでアドバイス出来ることは、いつも素晴らしい音楽家と仕事をすること、それから、じっくり腰を据えてオーケストラと生きた音楽の生活をすること、つまり、音楽監督の仕事をやることです。
    今後のご活躍を期待しております。


    【贈賞式でのスピーチ】
    永久選考委員 堤 剛

    鈴木さん、誠におめでとうございます。この賞にとって本当にふさわしい方に受けていただけることは、私共、選考委員にとりましても、本当に幸せなことでございます。鈴木さんの凄い所は、経歴にもございますように、指揮者のみならず、ピアニストとしても、オルガニストとしても、本当に幅広い、しかも調布国際音楽祭のプロデューサーであるとか…。しかも私がすごいと思いますのは、どの部門のどの賞を受けられても違和感がない。ピアニストとしても受けられる、チェンバロも素晴らしい…。そこが鈴木さんの凄い所であるし、それが鈴木さんの場合自然な形でいらっしゃる。私みたいにチェロしか弾けない者にとっては、羨望の的でございます。
    でも、齋藤秀雄先生も、実は結構マルチな方だった、と私は思っております。もちろんチェロの先生として日本にチェロを根付かせようとした。そしてヨーゼフ・ローゼンシュトックさんのご指導のもとに、指揮法を広げた。それからもちろん、ご自分も演奏家として演奏なさいましたけれど、所謂オーケストラ、そして室内楽の教育に力を入れられました。先生のお宅には、私もよく覚えていますが、ピアニストも来られましたし、ヴァイオリニストも来られましたし…。そういう意味ではレッスンの幅も非常に大きかった。いろんな事を教えることがお出来になった。しかも、お父様の影響もあったかもしれませんが、ドイツ語、英語をはじめとした語学の才能もおありになった。そうやって非常に幅広い知識を持っていらして、しかもレッスンの際には、ある意味で心理学者になれたのではないかと思う位の、さまざまことを私共に教えてくださいました。そういうことで、今の鈴木さんにすごく共通するものがあるのではと私には思えてなりません。非常に素晴らしいことだと思っております。
    これからも益々ご活躍なさって、小澤先生からのお言葉にもございますように、本当にいろんな意味で、音楽界のみならず、リーダーシップを発揮していっていただきたい。これがこの賞の意義を益々高めていくのではと思っております。
    鈴木さん、今回は本当におめでとうございました。

受賞の言葉

  • 佐藤 晴真

    佐藤 晴真(チェロ)

    【受賞の言葉】

    この度は齋藤秀雄メモリアル基金賞の受賞に与かり、大変光栄に思います。ソニー音楽財団の皆様はじめ選考委員の先生方、今まで師事した先生方、関係者の皆様に深く御礼申し上げます。
    指揮者、指導者であると同時に同じチェリストであった齋藤秀雄先生のお名前を冠したこの賞は、僕にとって近いようでとても遠い存在だと感じてきました。この度の受賞は身の引き締まる思いです。
    上京して初めて師事した山崎伸子先生は齋藤秀雄先生のお弟子さんで、彼の厳しさ、そして愛の大きさをよくお話しして下さいました。齋藤先生も僕と同じベルリンに留学していたとお聞きしていますが、私の通う学校のレッスン室の壁には彼が師事していたチェロ奏者 エマニュエル・フォイヤマンの写真が、畳のような大きさで飾られています。そのようなご縁もあり、今改めて顧みると、自分の大変に恵まれた環境を心から幸せに感じ、感謝の念は尽きません。
    ベルリンで勉強していると、音楽だけでなく様々な角度から刺激を感じます。電車に乗って見る街並み、人の話し方や歩き方、月の明るさまでもが違うように感じます。もちろん今はベートーヴェンやブラームスが生きていた頃と全く違いますが、日本にはないヨーロッパ独特の時間の流れ方や人間味を感じることができます。ハッとさせられる瞬間は未だに多くあります。そうして感じてきたヨーロッパの空気感を、どう音楽に活かすことができるか日々模索しています。
    昨今日常でクラシック音楽を耳にすることが益々多くなってきていますが、それと同時に特定の時代や有名な作品にのみフォーカスされている印象を受けます。もちろん名曲には名曲たらしめる理由があります。しかし音楽にはもっと色々な楽しみ方があると思います。流れていく先を想像してワクワクしたり、曲の組み立て方をパズルのように考えながら聴いたり、昔の自分の体験や感情と重ねたり。慣れ親しんだものだけでは、いずれ知りすぎてしまうでしょう。
    普段耳にする機会がないだけで、“他にもこのようないい音楽があるんですよ” と皆様に紹介し一緒に瞬間芸術を楽しんでいくこと、更には “佐藤だから” とそのような知らない曲でも楽しみに聴きに来ていただけるような信頼される奏者になることが、僕の音楽家としての目標です。
    そのために、まだまだ勉強することは尽きません。これからも興味と探究心をエネルギーに、常に音楽人生の高みを目指して進んでいきたいと思います。
    素晴らしいチェリストの皆様と今後のチェロ界、ひいては音楽界を更に発展させていけるよう、日々努力を重ねていきたいと思っています。
    今後も皆様と音楽で繋がれることを、心より楽しみにしております。


    【贈賞式でのスピーチ】

    この度は、齋藤秀雄メモリアル基金賞という大変栄誉ある賞をいただくことができ、この上ない幸せを感じるとともに、ソニー音楽財団の皆様、小澤征爾先生、堤剛先生をはじめ、選考委員の先生方、ここまで自分を育ててくださった先生方、そしていつも活動を支えてくださる皆様方に、心より感謝申し上げます。
    このような何か自分の人生の中で大きなことが起こったとき、私は必ず思うことがあります。それは、自分は本当に恵まれた環境の中で、そして多くの支えがあった中で、音楽を勉強できているということです。
    今までチェロを師事した、林良一先生、山崎伸子先生、中木健二先生。先生方の様々な鋭い視点からは、学ぶべきことがたくさんありました。その教えの数々を、一人で練習している時に、今でもふと思い出すことが多くあります。たとえ勉強する地が変われど、そのように長きに渡って導いてくださる先生方と出会えたことは、ただただ、自分が幸運だったからにほかなりません。
    そして今、ベルリンに留学をはじめてから、はや4年が経とうとしています。現在の私の師である、J=P.マインツ先生から、そして彼の先生のクラスメイトからも沢山の刺激をいただいており、勉強したいことが次々と見つかる、そんな日々を過ごしております。
    この恵まれた環境の中で、行き着いた折角のヨーロッパの生活です。特にベルリンはコンサートホールや劇場が本当に多く、音楽を勉強するのにうってつけの都市です。自分の興味をもっともっと外に向け、まだ知らない作品やことに出会いながら、この先も更なる成長を目指してまいります。
    まだまだ音楽家としては未熟ですが、どうか温かく見守っていただければ大変嬉しく思います。最後になりましたが、このような感謝をお伝えできる場を設けてくださったソニー音楽財団の方々、そしてお集まりいただいた先生方はじめ、関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。本当に、ありがとうございました。

  • 鈴木 優人

    鈴木 優人(指揮)

    【受賞の言葉】

    この度は、名誉ある「齋藤秀雄メモリアル基金賞」の受賞者に選出して頂き、心から感謝申し上げます。
    齋藤秀雄先生は私が生まれる七年前に他界されましたので、お目にかかることはできませんでしたが、世界的な名著である『指揮法教程』や講義録から指揮を学び、そして直接教えを受けた方々から多くのお話を伺いました。厳しくも愛情深い教育精神をお持ちだったからこそ、この賞がいまあるのだと思います。身が引き締まるとともに、何か先生の門に入れて頂けたような嬉しい気持ちです。
    さて齋藤先生が生きた時代から半世紀近く経ちました。音楽をとりまく環境はその間に急速に変化し、いまやインターネットのストリーミングであらゆる音源が手軽に聴けるようになりました。さらに音楽を聴きながら、自分の聴いたものに音楽アプリで星をつけて評価できるようにまでなりました。SNSでも新聞記事や手紙とは比較にならない速さで多くの人のレビューが飛んできます。既存の出版物はほぼすべてオンラインで手に入りますし、楽譜自体もデジタル化の動きが進んでいます。
    そしてこの目まぐるしい変化とは裏腹に、音楽を作る、あるいは演奏する人たちの、真に手作りで行われる音楽的な創造過程そのものはまったく変わっていないようにも思えます。指揮者とオーケストラがひとつの演奏会を準備するときのあの研ぎ澄まされた時間や、作曲家が夜なべしてメロディを絞り出すあの苦しい時間は、今も昔も変わっていないのではないでしょうか。ある新聞記事に、今後AIに置き換えられてゆく職業ランキングというのがあり、音楽家や作曲家は最下位近くにランクインしていました。まだ多くの人々は(幸い)音楽にAIではなく人間を求めているようです。
    しかしながら、指揮者という存在が今後も不変であり続けるのか、それは誰にもわかりません。現にバッハの時代における指揮者の役割はまったく違うものでした。数十年後に振り返ったときが楽しみです。
    それこそバロック時代ならばいざ知らず、現代において作曲や演奏もする指揮者というのは少々変わった存在だと思います。この権威ある賞によって大きな後押しを頂きました。より一層研鑽を積み、よい仕事をしていきたいと思います。
    末筆ながら小澤征爾マエストロ、堤剛先生、選考委員の皆様、運営にあたられている公益財団法人ソニー音楽財団のみなさまに深く御礼申し上げ、受賞のことばとさせて頂きます。


    【贈賞式でのスピーチ】

    本日は誠に栄誉ある齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞させていただく運びとなりまして、心から御礼申し上げます。素晴らしいチェリストである佐藤晴真さんと一緒に受賞することができましたのも、本当に嬉しく思っております。
    堤剛先生が、今まさに受賞にふさわしいとおっしゃってくださったのですが、先ほど司会の方が名前を呼んでくださる直前まで「もしかしたら違う人の名前が呼ばれるのではないか」と実は思っていたほど、この賞のお話を伺った時にも、あまりの意外さに驚きました。
    齋藤秀雄先生については、叔父でチェリスト・指揮者でもある鈴木秀美からも多く話を聞いておりまして、彼から齋藤指揮法の手ほどきを受けたこともありました。しかし、私が生まれる前に先生は既に亡くなっていらっしゃいますから、直接教えて頂いたことはありません。齋藤先生の教えのもと多くの方々が世界中で活躍されていますから、先生の影響を知らず知らずのうちに受けてはいましたが、この賞をいただくような直接の強い繋がりが今までなかったものですから、非常に驚いたというわけです。
    しかし、それだけに喜びもひとしおで、特に今回は指揮部門ということで、私の指揮活動についてこのように評価していただけることを大変嬉しく思いますし、ますます研鑽を積んで、良い音楽を創っていけるように頑張りたいと思います。
    先日、ある建築関係の方とお話ししていた時に、「建築物を作る時は、誰しも独創的な建物を建てたいと思う。カッコいいデザインで、誰よりも高い建物を作りたい。しかしそれと同時に、安全性が大事である」とおっしゃっていて、僕ら門外漢が想像する5倍も10倍もいろんな計算をして、しっかり建てなければならない。この話を聞いて、私の人生にとって欠かせない存在であるバッハの音楽のことを想いました。バッハの音楽というのは、ヘンデルと違って…というと怒られるかもしれませんが、表面の聴こえてくるメロディだけを飾り立てて、盛り上げていく、という音楽ではなく、もしかしたら誰にも聴き取れない、例えばヴィオラと通奏低音の間に、人知れず逆行カノンが書いてありまして、それが聴こえてくることが目的というよりも、そのことが音楽の設計を堅固にしています。バッハをずっと演奏してきた父の影響を強く受けて育った私にとっては、バッハの音楽はいつも「わが家」のような存在で——時にドアを開けて入るのがなかなか難しい家ですが——そのように感じられることは、本当に幸せなことだと感謝しています。
    本日も後ほどヘンデルの音楽に基づくベートーヴェンの変奏曲を演奏しますけれども、ベートーヴェンの音楽にもバッハから脈々と繋がったものがありますし、それがまた齋藤秀雄先生へ、そして今を生きる音楽家一人一人へ繋がっていると思いますので、そういった伝統をしっかりと受け継ぎつつ、新しい時代に向けて活動できるように頑張りたいと思います。
    日々支えてくださっているマネジメントの皆様、出版社の皆様、そして日々忙しく家を空けることも多いなか温かく支えてくれている家族に、この場を借りて感謝したいと思います。本日は誠にありがとうございました。

プロフィール

  • 佐藤 晴真

    佐藤 晴真(チェロ)

    現在、その将来が最も期待される弱冠21歳の新進気鋭のチェロ奏者。
    2019年、長い伝統と権威を誇るミュンヘン国際音楽コンクール チェロ部門において日本人として初めて優勝して、一躍国際的に注目を集めた。18年には、ルトスワフスキ国際チェロ・コンクールにおいて第1位および特別賞を受賞している。
    1998 年名古屋市出身。 第11回泉の森ジュニア チェロ・コンクール中学生部門金賞、第67回全日本学生音楽コンクール チェロ部門高校の部第1位および日本放送協会賞、第83回日本音楽コンクール チェロ部門第1位および徳永賞・黒柳賞、第13回ドメニコ・ガブリエリ・チェロコンクール第1位、第1回アリオン桐朋音楽賞など、多数の受賞歴を誇る。
    すでに国内外のオーケストラと共演を重ねており、室内楽公演などにも出演して好評を博している。また、 NHK テレビ、NHK-FMにも出演している。18年8月には、ワルシャワにて「ショパンと彼のヨーロッパ国際音楽祭」に出演。
    これまでに、林良一、山崎伸子、中木健二の各氏に師事。現在は、ベルリン芸術大学にて J=P.マインツ氏に師事している。
    13年度東京都北区民文化奨励賞。16年度東京藝術大学宗次特待奨学生。2018年度ロームミュージックファンデーション奨学生。ベルリン在住。
    使用楽器は宗次コレクションより貸与されたE.ロッカ1903年。弓は匿名のコレクターより貸与されたF. Tourte。

  • 鈴木 優人

    鈴木 優人(指揮)

    指揮者,作曲家,ピアニスト,チェンバリスト,オルガニスト
    バッハ・コレギウム・ジャパン 首席指揮者
    読売日本交響楽団 指揮者/クリエイティヴ・パートナー
    アンサンブル・ジェネシス 音楽監督

    1981年オランダ生まれ。東京藝術大学及び同大学院修了。オランダ・ハーグ王立音楽院修了。第18回ホテルオークラ音楽賞受賞。
    2018年9月よりバッハ・コレギウム・ジャパン首席指揮者に就任。2020年4月1日からは、読売日本交響楽団の指揮者/クリエイティヴ・パートナーに就任予定。音楽監督を務めるアンサンブル・ジェネシスでは、オリジナル楽器でバロックから現代音楽まで意欲的なプログラムを展開する。指揮者としてアンサンブル金沢、NHK交響楽団、九州交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー管弦楽団、広島交響楽団、読売日本交響楽団等と共演。2017年11月には、モンテヴェルディ生誕450周年を記念し、歌劇「ポッペアの戴冠」を国際的で魅力に富む歌手陣で上演。高い芸術性と優れたキャスティングを生かした躍動感を伴った上演はバロック・オペラの新機軸として高い評価を得た。
    作曲家としても数々の委嘱を受けると同時に、J.S.バッハBWV190喪失楽章の復元や(Carus)、モーツァルト『レクイエム』の補筆・校訂が(Schott Music)、高い評価を得ている。
    NHK-FMの「古楽の楽しみ」に解説者としてレギュラー出演。チェンバロ・ソロのCD「rencontre」は各紙で絶賛されている。2019年8月、ハルモニア・ムンディよりヴィオラのアントワン・タメスティとの新譜「J.S.バッハ: ヴィオラ[・ダ・ガンバ]とチェンバロのためのソナタ集」をリリース。2020年秋には同デュオの日本ツアーを予定。
    調布国際音楽祭エグゼクティブ・プロデューサー、舞台演出、企画プロデュース、作曲とその活動に垣根はなく各方面から大きな期待が寄せられている。