「ソニー音楽財団 子ども音楽基金」第5回(2024年度)採択団体が決定いたしました。
採択結果、採択団体よりお寄せいただいたメッセージ、選考委員からの選考総評等を掲載いたします。是非ご覧ください。
五十音順
団体名 | 活動名 | 助成 金額(円) |
活動 地域 |
---|---|---|---|
NPO法人えほん楽団 | えほん楽団 こども食堂コンサート | 1,300,000円 | 福岡県, 熊本県 |
一般社団法人El Sistema Connect | ホワイトハンドコーラス沖縄の活動基盤構築事業 | 1,200,000円 | 沖縄県 |
おとあーと研究室 | 医療ケア児に音楽を届けたい!! | 570,000円 | 東京都 |
特定非営利活動法人音楽文化芸術振興会 | 初めての楽器体験からミニコンサートを作ろう♪「キッズチャレンジコンサート」 | 850,000円 | 大阪府 |
特定非営利活動法人 弦楽アンサンブルすみれ | 「すみれ」は「出前コンサート」で社会貢献活動を行います! | 300,000円 | 群馬県 |
特定非営利活動法人生涯学習実践塾 | 障がいと共に歩む「心の調べコンサート」 | 520,000円 | 宮城県 |
一般社団法人ストリートピアノドネーションズ | 児童養護施設出張ピアノレッスン | 760,000円 | 福岡県 |
なら多胎ネット | 音楽を通じて集う なら多胎サークル | 528,000円 | 奈良県 |
フェローオーケストラ | キッズオーケストラ | 144,000円 | 東京都 |
NPO法人松江音楽協会 | わくわく★音楽体験事業 | 450,000円 | 島根県 |
Musicians from FUKUSHIMA | ワンコイン・コンサート×2~みんなで楽しくクラシック~ | 400,000円 | 福島県 |
認定NPO法人ミュ ー ジック ・ シェアリング | 障がいのある子どものための楽器指導支援プログラム 2024 | 1,000,000円 | 東京都, 神奈川県, 大阪府 |
一般社団法人みんなの実家 | フリースクールにおける音楽教育とこども食堂における無料音楽教室 | 713,000円 | 鳥取県 |
特定非営利活動法人One step音楽スタジオ | 学校(園)・家庭・地域が手をつなぎインクルージョン社会の実現をめざし、音楽と絵本で読書バリアフリーを目標に心豊かな環境の創設事業 | 1,350,000円 | 関東近県 |
全14団体 総額10,085,000円
公益財団法人ソニー音楽財団 理事長
このたびは「ソニー音楽財団 子ども音楽基金」第5回(2024年度)募集へ多くのご応募をいただきありがとうございます。当基金は、次世代の子どもたちが、地域・環境・経済状況などに左右されることなく、音楽に触れることで心豊かに暮らすことのできる環境づくりを行う団体や活動をサポートする助成事業です。2019年に設立し、これまで音楽を通して子どもたちへの教育に取り組んでいる81の団体の活動に対して助成を行ってまいりました。
第5回(2024年度)募集につきましては、前年を上回る156ものご応募をいただきました。応募書類を拝見しますと、全国各地で日々子どもたちに寄り添った活動に取り組まれている方々がこれほどいらっしゃるのかと、敬服の念に堪えません。このたび採択させていただいた14の活動につきましても、どの団体の皆様も、それぞれの地域で実績を積まれ、子どもたちにとってのよりよい環境づくりにご尽力されています。今回の採択によって、こうした活動がより一層発展していくことを願っております。
採択された団体の皆様の今後の展開に是非ご注目いただくとともに、「ソニー音楽財団 子ども音楽基金」への引き続きのご理解とご支援をお願い申し上げます。
選考委員会・議長
本年度の助成については、昨年(2023年)6月から7月にかけて公募を行ったところ、関東、近畿、九州・沖縄地域をはじめたとする全国各地から、156件(昨年度比20件増)のご応募をいただきました。応募団体の活動状況を俯瞰すると、「子どもを対象とする活動」であるという基本的な条件に加えて、経済的に困難な状況にある子どもや障がいを持つ子どもなど、対象がより明確になっている、または複合的な視点をもって活動しようとする団体が多く見られました。
これらの応募内容につき、事務局による事前確認(趣旨適合性など)を経て、私を含む5名の委員による選考委員会が複数回開催されました。そこでは慎重かつ丁寧な議論と検討が行われ、最終的に14件、総額10,085,000円の助成対象が決定しました。助成対象となられた各団体および関係者には、音楽を通じた取り組みにより、子どもたちの豊かな感性・健やかに生きる力が育まれることを心から期待しております。
なお、今回残念ながら採択にいたらなかった団体におかれましては、本助成の趣旨や選考基準等の要件を今一度ご確認いただき、次回再チャレンジいただけることを希望します。
えほん楽団 こども食堂コンサート
芸術文化活動を通じた被災地復興支援等に取り組む団体が、地域の子ども食堂で絵本のストーリーやリトミックを交えたクラシックコンサートを開催します。貧富の格差なく、すべての子どもたちが芸術文化に触れる機会を創り、豊かな食と音楽で豊かな心を育むことを目指します。
ご支援に心より感謝申し上げます。東日本大震災以来、公演収益を被災地へ届け、0歳から入場できるこどもコンサートを各地で行っています。今回のご支援のお陰で、より多くの「こども食堂コンサート」が実現いたします。コンサートホールへ足を運んでいただく試みも行います。こどもたちの笑顔と美味しいごはん。そして、音楽を。文化を。こども食堂は、進化し続ける新しい最高のコミュニティではないでしょうか。
こども食堂は貧困な環境にある人たちの食生活を支援する大切な役割を果たしてきました。そんなこども食堂で良質なクラシック音楽を届けることで、おなかもこころも豊かになってもらおうという発想が素敵です。こども食堂が多様な人たちが集まる場となり、文化の発信源にもなるといいなと期待しています。(久保山委員)
ホワイトハンドコーラス沖縄の活動基盤構築事業
「舞台から未来を創る〜⾳楽によるSocial Inclusion」をビジョンに掲げて活動する団体が、新たに沖縄において、児童合唱及び⼿話を使った⾝体表現のワークショップとその成果発表を行います。子どもたちが障がいや困難の有無に関わらず共に音楽を学ぶ環境を作り、尊厳と⾃信を持った社会参画を促し、音楽による社会インクルージョンを目指します。
障がいの有無も、国境や言語も超えて音楽で社会アクションを起こします。ろう者の力を借りながら手話で表現するサイン隊と歌うことが大好きな声隊が音楽の新しいカタチを届けます。週一回の居場所と成果発表の場を通して、障がいへの偏見を取り除きたいです。子どもたちと手を取り合って、日本のインクルーシブな未来を創造できるよう、これからも苦難もワクワクに変える舞台を届けたいと思います。
障がいのある子どもたちに様々な人たちと交流しながら音楽体験する機会を提供することで、新たな⾳楽表現やインクルーシブな⾳楽創造を⽬指すという活動コンセプトがユニークで、大変有意義なものだと感じています。本基金を有効に活用し、これまでの実績も生かしつつ、さらに充実した活動となることを願っています。(志民委員)
医療ケア児に音楽を届けたい!!
音楽とアートを融合させた子育て支援コンサートに取り組む団体が、障害児保育園でのコンサートや、外出が難しい子どもたちへの配信コンサートを行います。重症⼼⾝障害児や医療的ケアの必要な⼦どもたちが質の高い音楽を「聴く・観る・感じる」機会を創り、⼼⾝の成⻑を促す体験を提供します。
私たちは「おとあーと」と表される団体名の通り「音」と「アート」が融合した視覚と聴覚両方から楽しめる親子コンサートを行っている団体です。医療的ケアが必要なお子さんの保育施設へ出張コンサート、そして、自宅からお出かけが難しいお子さん方へも音楽体験が届けられるよう、配信コンサートを行います。これまで、何度も議題に上がったこの計画ですが、資金面の問題で実現に至りませんでした。この度採択いただけた事により実現化の運びとなりました。最高の体験をお届けさせていただきます。
障がいが重いお子さんや医療的ケアが必要なお子さんは体験的な活動の機会が得にくい状況にあります。アウトリーチで良質なクラシック音楽を届けてもらえたらどれだけうれしいことでしょう。音楽家の皆さんにとっても、こうしたお子さんたちにどのような音楽をどのように届けたら良いのかを体験する貴重な学びになるでしょう。(久保山委員)
初めての楽器体験からミニコンサートを作ろう♪「キッズチャレンジコンサート」
音楽を通じ心身ともに健やかな成長をサポートすることを目的に設立された団体が、弦楽器・管楽器・打楽器などの本物の楽器に子どもたちが触れる機会を創り、楽器の練習や合奏を通して主体性・積極性・責任感など健全な育成をサポートします。全ての参加費を無料とすることで次世代を担う子どもたちへの教育が格差無く行われることを目指します。
ソニー音楽財団 子ども音楽基金の助成を受け、子どもたちが本物の楽器を触れ合う場を作り、楽器を通じて性別、年齢、国籍といった絡みを超えた「音のコミュニケーション」の誕生を目指します。格差なく子どもたちが参加できるよう、楽器レンタル費などの参加費を無料にすることで、1人でも多くの子どもたちに生演奏のもつ癒しの力を伝え、継続する力のパワーや、やり切った先の達成感を感じてほしいと思います。
楽器の演奏体験をサポートするユニークな活動です。子どもたちは音楽参加する喜びやアンサンブルの楽しさと出会うことでしょう。初めて楽器を手にするときのワクワク感、音を奏でた時の驚き、そして仲間と一緒に音楽を作っていく喜びなど、楽器とのかかわりを通じて多くの感動を共有されることを期待しています。(神原委員)
「すみれ」は「出前コンサート」で社会貢献活動を行います!
地域の子どもたちをメンバーとする弦楽アンサンブル「すみれ」が、地域の福祉施設や高齢者施設等で「出前コンサート」を行います。地域の方々や同年代の障がいを持つ子どもたちへ演奏を届ける体験を通して、技術的・精神的な成長を促すとともに、子どもたちが社会貢献活動へ参加する機会を創出します。
前橋西ロータリークラブの 50 周年記念行事として、2015年に群馬交響楽団の団員のみなさまと演奏会を開いたことが、現在の「すみれ」の原点です。 2021 年 7 月に NPO 法人「弦楽アンサンブル すみれ」として独立。毎年 6 月に行われる定期演奏会のほか、地域の行事やイベントにも積極的に参加しています。「ハロウィン」「クリスマス」のミニイベントで親睦を深め、赤城山の宿泊合宿で技術レベルアップ!演奏会に向けて仲良く・楽しく練習をしています。
子どもたちが弦楽器の合奏に参加できる機会は大変貴重ですが、演奏の機会を子どもたちに提供することにとどまらず、活動を通して地域に貢献する機会を提供しようとされていることも、とても素晴らしいと感じています。子どもたち自身が、クラシック音楽文化を拡げ発展させる存在になってくれることを期待しています。(志民委員)
障がいと共に歩む「心の調べコンサート」
生涯学習の理念の下に地域社会の活性化を目指して様々な学びの機会を提供する団体が、障がいを持つ子どもたちの出演するコンサートを開催します。過去20年間地域で続いてきた障がいを持つ子どもたちによるピアノコンサートの趣旨を継承し、健常者も障がい者も垣根を超えて感動を共有することができる「心の調べが流れる」ステージを目指します。
「こころの調べ」コンサートを今年も開催したいという旨を年賀状でお伝えしたら、実に多くの反響をいただきました。しかし、資金繰りの目処が立たず苦慮していたところ、御財団から採択の報をいただき、これで開催できると正直ホッとしています。障がいを持った子どもたちへ自分たちの生き様をありのままに表現できる場を提供し、あらゆる媒体を通じて発信していきたいと心を新たにしています。ありがとうございました。
障がいのある人が余暇をどう過ごすのか課題になっています。障がいのある人が自ら音楽を楽しみ、練習を積み重ね、その成果をコンサートで聴いてもらう機会があるのはとても大切なことです。そのコンサートでは多様性に出会い、多様性の豊かさを楽しむことができるでしょう。多くの人々に足を運んでもらいたいと願っています。(久保山委員)
児童養護施設出張ピアノレッスン
文化芸術教育機会の平等、音楽を通した自殺ゼロ社会をビジョンに掲げてストリートピアノの設置と利活用に取り組む団体が、児童養護施設の子どもたちに定期的なピアノレッスンの機会を提供し、音楽を奏でる喜びを届けます。
昨年度に続いて採択していただき、ピアノレッスンが継続できることになり、子どもたちとともにとても喜んでいます。最初は、指が思うように動かなかった子も1年経った今では、両手で弾けるようになりました。ピアノが弾けるようになったことで、子どもたちの自信にもつながっているように感じます。また、3月には、ピアノ発表会を開催する予定です。がんばった成果を発揮してくれることでしょう。来年度も子どもたちともに、私たち講師陣もがんばっていきたいと思います。
街にたたずむストリートピアノを見て、共有と寄付の文化の発信源だと看破するその眼力にまず感嘆し、この発想を、ピアノ所有の有無にかかわらない音楽教育の提供として児童養護施設や里親家庭にいる子どもたちへのピアノのレッスンに展開する実行力に敬意を持ちます。音楽への信念、教育への情熱を感じます。多くの困難を乗り越えてきたであろうそのご尽力に敬服します。(山野委員)
音楽を通じて集う なら多胎サークル
社会から孤立しがちな多胎児の家庭(双子や三つ子をもつ家庭)が集い、音楽を通じた手遊びや季節の歌を楽しむ多胎サークルを開催します。親子のコミュニケーションを深める場、多胎家庭の交流の場づくりを目指します。
この度は「ソニー音楽財団子ども音楽基金」にご採択いただき、ありがとうございます。今般採択いただいた事業では、母子での外出が難しいうえ、同じ子育て環境の家庭と出会う機会の少ない多胎家庭が、音楽を通したサークル活動により、お互いの育児情報を共有し、ゆっくり親子で音楽を楽しむことを目的としています。育児への負担感や困難感の軽減に少しでもつながるよう活動してまいります。
多胎児家庭というなかなかスポットライトの当たりにくい環境にフォーカスし、音楽を通じた交流をうみだし、情報や経験、そして楽しさを分かち合う仲間をつくる、素晴らしいと思います。毎月展開して参加の難度を下げる発想も多胎児の保護者にとってありがたいでしょう。質の高い音楽がさらなる集いのきっかけになることを願っています。(山野委員)
キッズオーケストラ
「エル・システマ」の理念・活動に賛同するメンバーを中心としたアマチュアオーケストラが、経済的困窮や障がい、海外にルーツがあるなど、様々な困難を抱えている⼦どもたちとともにオーケストラ活動を⾏い、⾃⾝と他者に対する誇りと信頼を育むことを目指します。
この度は「ソニー音楽財団 子ども音楽基金」へご採択いただき、大変に光栄に感じるとともに、ご選考に際して込められた想いや期待に、身が引き締まる思いです。様々な困難を抱え体験の機会が限られてしまいがちな子どもたちが、まずは「楽器をやってみたい」と自ら言えること、そして音楽の楽しさを味わいながら、様々な子どもや大人と一緒に継続的に練習に励めることを目指して、一歩ずつ活動を前に進めていきたいと思います。
様々な困難を抱える⼦どもたちを対象に、仲間と共に楽器に挑戦し、継続的に活動に取り組むことができる環境を提供する取り組みとして、大変有意義だと感じました。仲間と音楽をつくり上げる経験は、子どもたちの人生の支えになると確信しています。本基金を活用し、継続・発展的に取り組んでいかれることを期待しています。(志民委員)
わくわく★音楽体験事業
子どもたちが平等に音楽に触れる機会を作ることを目指して活動する団体が、授業参画型、鑑賞ワークショップ型の事業を通して、地域の音楽家と学校とを繋ぎ、子どもたちへ質の高い生演奏を届けます。
私たちは、「すべての子どもたちに生の音楽を届けること」をミッションとして活動しています。昨今様々な「体験の格差」が広がっていることが言われており、音楽においても同様に受け止めています。この活動が、豊かな人間形成へのきっかけとなり、音楽の振興だけでなく次代の魅力ある地域社会に貢献できると確信しています。子どもたちの心に深く残り、大人になっても音楽に親しみ、そして次代へと受け継ぐ良いサイクルが生まれてほしいと願っています。
子どもたちは、生演奏に直接触れて、感性や想像力を膨らませるでしょう。音楽は、言語を超えたもう一つの言葉として子どもたちの心に語り掛けてくれます。生演奏によるクラシックの名曲を聴いた子どもたちは、音楽の豊かさや楽しさに包まれて、感動的な瞬間を味わうことでしょう。(神原委員)
ワンコイン・コンサート×2~みんなで楽しくクラシック~
「絵と音楽のコラボレーション」を軸に活動する団体が、年齢・性別・障がいの有無にかかわらず楽しめるコンサートを目指して、地域にゆかりのある芸術家とともに音楽物語の新作を発表します。公募する小学生の音楽隊にはプロの芸術家とともに舞台を作り上げる経験を提供します。
この度の助成を受け、新作の音楽物語の作絵を福島市出身の 絵本作家、小原風子さんに委嘱、福島市内の小学生による音楽隊を20 名募集し、子どもたちとの共演が 実現することとなりました。また打楽器を購入し、より充実した体験活動を行えることとなりました。これらの活動を通して、音楽隊として共演する子どもたちはもちろんのこと、コンサートを聴く沢山の子どもたちにも豊かな感性とすこやかに生きる力を育んでもらえることと期待すると同時に沢山の子どもたちが音楽の楽しさを実感し彩り豊かな生活を送ることができますよう願っております。
福島出身の音楽家が福島の子どもたちを対象として行う活動であるという点で意義深いだけではなく、障がいのある子どもを含めて幅広い年齢層に質の高い音楽を提供する事業であり、演奏には子どもたちとプロ音楽家の協演も計画されていることが素晴らしい。クラシック音楽文化の裾野を拡げる重要な事業であると期待しています。(久保山委員)
障がいのある子どものための楽器指導支援プログラム 2024
特別支援学校の児童生徒を対象にした楽器演奏指導(ヴァイオリン・フルート等)に2006年から取り組む団体が、各地にある特別支援学校を定期的・継続的に訪れ、週に一度、あるいは月に一度の音楽体験と音楽家との交流を届けます。
特定非営利活動(NPO)法人ミュージック・シェアリングが2021、22年に続いて採択されたことは、理事長、五嶋みどりもとより、生徒に対峙する先生方の日頃からの姿勢へのエールとなり、そして生まれて初めて与えられた「音」を他に伝える喜びを知り、その経験が一生を左右する社会生活の糧となる若き獅子たちにとって、大きな支えとなります。これからも音楽の持てる力を信じ、なお一層、楽器指導プログラムに注力することを申し上げ、謝意とさせていただきます。
障がいのある子どもたちが音楽と出会う素敵な企画を提案してくださいました。貴法人は長年にわたって多くの実績を重ねられています。上質な音楽に裏打ちされた活動は定評があります。音楽の豊かさ、そして人の温かさに包まれた感動の輪が広がるであろうことを確信しています。(神原委員)
フリースクールにおける音楽教育とこども食堂における無料音楽教室
「ともに生きる、ともに学ぶ、ともに笑う」をモットーに地域の子どもの居場所づくりに取り組む団体が、運営する子ども食堂や不登校児向けのフリースクールに通う子どもたちを対象に、無料の音楽教室を開催します。
このたびの助成金採択を受けて、子どもたちに貴重な体験を提供できることを非常にうれしく思っています。子ども食堂における無料の音楽教室と、不登校の児童生徒を対象としたフリースクールでの音楽の授業を実施します。自分の気持ちを表現することが苦手な児童生徒が多いですが、音楽を通して自分を表現することができるのではと楽しみにしています。子どもたちが楽しくのびのびとクラシック音楽に触れて、豊かな心を育んでくれることを願っています。
「居場所づくり」に関してすでに充実した事業を行っている貴団体が、音楽や楽器に触れる機会が比較的少ないフリースクールや子ども食堂で音楽教育を提供することは、子どもたちの感性を育て、音楽を奏でる喜びを広げ、環境に左右されることなく音楽に参加できる包摂社会を実現する可能性を感じます。応援しています。(山野委員)
学校(園)・家庭・地域が手をつなぎインクルージョン社会の実現をめざし、音楽と絵本で読書バリアフリーを目標に心豊かな環境の創設事業
児童発達支援・放課後等デイサービスを運営し、音楽を通して障がいを持つ子どもたちの成長をサポートしている団体が、インクルーシブ社会の実現を目指し、クラシック音楽を演奏しながら絵本を歌い聴かせる「絵本バリアフリー」の活動をひろく保育園等へ届けます。
障がいのある子どものための通所施設を運営しています。ある日、音楽の好きな子が絵本『はらぺこあおむし』を持って、「これ唱いたい」と言ってきました。障がいによる特性のため口腔が狭く発音が不明瞭な子が自分の好きな歌を唱うと、とてもきれいな発音になっていることに気がつきました。
その時、音楽の持つ表現力や芸術性により唱い聴かせが素敵な読書となり、視覚と聴覚の両方を使うことによって子どもを夢の世界へ導くことができるのではないかと思いました。その環境で育った子どもは素敵なおとなになって、次の世代につなげてくれると信じています。
幼児や障がいのある子どもに親和性の高い絵本を使いながら、それを「歌い」聞かせるというユニークな活動、モーツァルトのピアノ協奏曲を使う、「読書バリアフリー」というユニークな発想、音楽の喜びも子どもの発達も共生社会もユニークの先にあるものと思わせてくれるでしょう。素敵な事業が継続することを心から応援します。(山野委員)
〒102-8353
東京都千代田区六番町4-5 SME六番町ビル
公益財団法人ソニー音楽財団 「子ども音楽基金係」
件名に「子ども音楽基金係」と明記の上、
Eメールにてお問い合わせください。
kok@sonymusic.co.jp
※電話・ファックスでのお問い合わせには
対応していません。